人生に役立つストア派哲学【初心者は『自省録』がおすすめ】

お悩みの人

最近、ストア派哲学に興味があります。何だか難しそうなイメージですが、初心者にも分かりやすく説明してほしいです。また、初心者でも気軽に読めるおすすめの本があれば、紹介してほしいです。

読書ハゲ

そんなお悩みを哲学好きな僕が解説していきますよ!

この記事の信頼性

この記事を書いている僕は、哲学に関する本を数十冊読んだ経験があり、特に『自省録』は何度も読み返しています。

今回は、初心者の方でもわかりやすく、おもしろく、『自省録』と、ストア派哲学について解説していきます。

それでは早速はじめていきますね。

目次

『自省録』を読むメリット

『自省録』(じせいろく)は、ローマ帝国第16代皇帝の、マルクス=アウレリウス=アントニヌスによって書かれました。

「君は~・・・・~」、「君が~・・・~」のように、読者に語り掛けるような文体が多いため、まるで皇帝が目の前にいるかのような感覚になります。

皇帝自身の個人的かつ日記的な読み物であり、似たようなことが繰り返し書かれているのも特徴です。

『自省録』読むメリットは以下の通りです。

『自省録』を読むメリット

①自分とは何かを考えるきっかけになる

②自分の力の及ぶものと、及ばないものを区別して考えられるようになる

③心に余裕が生まれる

④行動が変わる

1つずつ解説していきますね。

①自分とは何かを考えるきっかけになる

僕が初めて『自省録』を読んだのが、大学生のころ(学年は忘れました)で、もう25年ほど前になります。

ローマ帝国には五賢帝と呼ばれる時代があり、マルクス=アウレリウス=アントニヌスという、すごい皇帝がいたことだけは知っていました。

せっかく大学生になったのだから、哲学にも興味を示しておきたいとの気持ちから、『自省録』を手に取りました。

読んでみての感想は・・・「な、なんじゃこりゃ~」でした(笑)

例えば次のような言葉があります。

君が何か外的の理由で苦しむとすれば、君を悩ますのはそのこと自体ではなくて、それに関する君の判断なのだ。

出典:マルクス・アウレーリウス 神谷美恵子訳(1956).自省録 岩波文庫

要するに、何か悩み事や不安があったとして、それは他者や他の物事のせいではなく、自分の判断で悩んでいるに過ぎない、ということです。

この言葉を見て、頭から毛が抜け落ちる・・・失礼。目から鱗が落ちる思いでした。

念のため申し上げておきます。まだこのころの僕はハゲていません(笑)

この言葉は僕の人生で大きな意味を持つようになりました。自分とは何だろうかと。

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②自分の力の及ぶものと、及ばないものを区別して考えられるようになる

次の言葉もご紹介しておきますね。

君は多くの無用な悩みの種をきりすてることができる。なぜならばこれはまったく君の主観にのみ存在するからである。

出典:マルクス・アウレーリウス 神谷美恵子訳(1956).自省録 岩波文庫

先ほどの言葉と同じような意味合いですね。悩むのか、悩まないのかを判断できるのは自分だけであり、誰からも、何からも強制されるような性質のものではないと解釈できます。

自分の力ではどうしようもないことは、あれこれ考えないこと。自分の力でコントロールできることは、頑張り次第で何とかなる。ざっくりと、このようにも表現できますね。

自分の力でどうしようもないことの筆頭に、他人の意志や行動があります。

職場にどうにも気の合わない人がいる。あれこれ口出しされ、気分が悪くなる。どうすればいいのか?

結論から言えば、他者の言動はコントロールできないので、気にしないこと。こうなります。

反対に、自分の意志は自由に自分であやつることができるので、どうにでもなる。

ダイエットを決意した。しかし、失敗した。自分は意志が弱いと思う。自分はダメな奴だと嘆く。ここで、意志が弱いとか、ダメな奴だと嘆くという選択をしたのは自分自身です。

考え方を変えてみます。

今回はダイエットには失敗したが、次は必ず成功して見せる。自分は出来る。ダメな奴なんかではない!

このように思うことを選択することもできます。どちらを選択するかは、自分の判断に関わること。

哲人皇帝はこのように主張しています。

③心に余裕が生まれる

一旦、②で解説した、【自分の力の及ぶものと、及ばないものを区別して考える】ことが出来るようになれば、気持ちが楽になります。心に余裕が生まれます。

25歳頃の僕は、ハゲ始めており、人生を悲観していました。嘘ではありません・・・

「髪の毛を失ってしまう・・・コワい。雨風でハゲ始めていることがバレる・・・嫌だ・・・」

しかあし。哲人皇帝陛下の言葉にハゲまされました(笑)

現在起ってくる事柄に際して自己に問うてみよ。「このことのなにが耐え難く忍び難いのか」と。

出典:マルクス・アウレーリウス 神谷美恵子訳(1956).自省録 岩波文庫

ハゲるのは恥ずかしいこと、ハゲを指摘されるのを怖がること、ハゲを認めるのを拒むこと。

これらはすべて自分の意志で選択したことです。

考え方を変えてみます。

ハゲの何が恥ずかしいのか。ハゲを指摘されたからといって、何なのか。ハゲであることを認めたからといって、何が変わるのか。

この言葉のおかげで、心に余裕を持つことが出来ました。それ以来、明るいハゲになってしまいました(笑)

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④行動が変わる

心に余裕が生まれると、行動が変わります。逆に言うと、心に余裕が無ければ、行動は制限されたものになります。

誰かに悪口を言われる。気分を害する、落ち込んでしまう。こうした状況も変えられます。

誰かに悪口を言われた。しかし、それを聞いて気分を害する、落ち込むという選択を自分はしない。確かに悪口を言われるのは気に食わないが、相手の言動をコントロールすることは出来ないので、自分はそれを気にしない判断をする。

このように、自分の感情を選択することが出来るようになれば、行動が劇的に変わります。

ハゲだからモテない。女性に対して積極的になれない。これを、変えてみます。

ハゲだからモテないという自分の判断は正しくない。ハゲだからこそモテる。モテるように自分を磨く。女性に対して逆に、ハゲをアピールさえしてみよう。

こんなふうに考えを変えることもできます。たびたびハゲをたとえにして申し訳ありません<m(__)m>

ストア派哲学を実践して人生観を変える

ストア派哲学を一言で表すならば、次のようになります。

人生をよりよく生きるため、より良い選択を自分の意志で行う。

少し前に、『嫌われる勇気』という本がベストセラーになりました。『自省録』に書かれてあることを、更に平易な文章で解説したような本であり、ストア派の考え方に近いものがあります。

今日から自分を変えようと思っても、すぐには難しいですね。まずは変わろうと決心すること。その決心は誰にも妨げられないことを意識することから始めるといいですね。

ストア派哲学を実践すれば人生が変わります。『自省録』を読むことはそのきっかけの一つです。

『自省録』にはまだまだ、たくさんの言葉が散りばめられています。あなたの心に響く言葉を見つけてください。

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最後に次の言葉をご紹介します。

主観を外へ放り出せ。そうすれば君は助かる。誰が放り出すのを妨げるのだ。

出典:マルクス・アウレーリウス 神谷美恵子訳(1956).自省録 岩波文庫

僕もハゲを放り出したい!!(笑) 失礼しました<m(__)m>

今回は以上になります。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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